ジョナサン・キャロル『沈黙のあと』 

このところジョナサン・キャロルをむさぼり読んでいる。実は今まで読んだことがなかったので、新刊の『パニックの手』『蜂の巣にキス』から、どんどんさかのぼっていって、その奇妙な味わい、キャラクターの素晴らしさと、子供時代の思い出や幸福な恋愛の描写の美しさに忽然とし、それらがなすすべもなく崩壊していく残酷なストーリーにやられたりしておりました。
しかしこの『沈黙のあと』は、これはあんまりだ。なんだこのラストのぶった切り方は。これじゃああんまりじゃないかー。
ちょっと相当涙出たな。
といいつつ、今日は文庫新刊の『黒いカクテル』を買ってきてしまったわけなのですが。完全にやられておるな。

絲山 秋子『沖で待つ』 

絲山 秋子『沖で待つ』(文藝春秋)読了。会社の後輩が、読め読めと薦めるので。後輩がいうには、女流というと恋愛小説ばっかりだけど、この小説は、恋愛関係なく、働くひとの生活実感がていねいに描かれているからいいのだそうだ。実にその通りで、よかった。
そういう作品の本質的なよさとはあまり関係がないのだが、この本、薄いハードカバーで、表題作と、『勤労感謝の日』という短編が掲載されているのだけど、この『勤労感謝の日』の主人公が、いやいやお見合いをして(また相手がイヤな男なのだ)、趣味を聞かれて「サッカー、FC東京のファンなんです」と答えているところに受けた。作者の人となりは存じ上げませんが、このあたり、編集者に、「もうちょっとメジャーなチーム名の方が読者にわかり易くてよくないですか?」とかいわれたりしなかったんだろうか。そうして、「いや、ここはFC東京じゃないとダメなんです」なんてね、妄想ですが。

山本浩『仁義なき英国タブロイド伝説』 

山本浩『仁義なき英国タブロイド伝説』(新潮新書)読了。 面白い。
英国タブロイドの歴史や、様々な分野にわたる面白い凄いエピソードを、テンポよく要領よく解説してくれている。山本浩さんの書き方が面白いというだけでなく、タブロイド紙の存在そのものが、面白いというか、無茶苦茶ですな。よくも悪くも、タブロイドが(どぎつく誇張し、極端なまでに単純化しながらも)表現しているのは、イギリス人の本音なんだろうと思う。
この本に、「ニュース・オブ・ザ・ワールド」紙でおとり取材を得意とするマフムードという覆面記者がソフィー王妃を引っ掛けた時のことが書いてあったけど、どうも、こないだの、エリクソン監督が引っ掛けられて失言した事件も、同じ覆面記者のやり口みたいです(PINAさん情報サンクス)。あの事件も、タイミングさえ合えばこの本に載ったに違いないクォリティ。 何せドバイまで招待するという大芝居ですから。
この本の巻頭に、各タブロイド紙の特徴がまとめられているけど、これによると、「ニュース・オブ・ザ・ワールド」は、暗黒世界に精通する覆面記者までそろえ、潜入・おとり・告発路線を突っ走るとあります。どんな新聞や。しかし、こんな新聞が350万部も出てるわけです。日本のタブロイドももっとがんばれ。

1.26に買った本 

平松洋子『わたしの沖縄食紀行』(集英社be文庫) 、西炯子『ひとりで生きるモン! 2』(徳間書店) 、山本浩『仁義なき英国タブロイド伝説』(新潮新書) 。

『ひとりで生きるモン!』は2が出るのを全く期待していなかったので嬉しい驚き。1よりもアベレージが落ちぎみなのは残念だが、それでも受ける。あたしは113ページの「高円寺物語(1)」がツボでしたが、みなさんはどれがよかったですか?

ロバート・ゴダード『最期の喝采』 

ロバード・ゴダード『最期の喝采』(講談社文庫)読了。いつものゴダードと趣向が変わって、わずか8日間に起きた出来事をスピーディに描いている。例によって疑心暗鬼になりつつ、わけがわからないまま事件に巻き込まれていく主人公。人物の奥行きがちょっと物足りないか。もう一回くらいどんでんが返るかと思ったけど返らなかった。ジェフリー・ディーヴァーじゃないものね。

『誰も寝てはならぬ(4)』出ました。 

サラ イネス『誰も寝てはならぬ(4)』(講談社)、山岸凉子『テレプシコーラ(8)』(メディアファクトリー)購入。

よしながふみ『執事の分際』 

よしながふみ『執事の分際』(白泉社文庫) 購入。ビブロスの『愛とは夜に気付くもの』に、同人誌の分を集めて足したもの、既読ばかりだけど一冊になってるのは便利でいいや、と思ったらですね、加筆・修正してやがり、もとい、して下さってましたよ。 特に、「ああ主よ、このよろこびを」の結末に至る部分なんか大幅に。
ああ主よ、これだから文庫は見過ごせないんだよねえ。やられておる。

11.2に買った本 

チャールズ・シェフィールド『マッカンドルー航宙記』(創元SF文庫)、ロバート・J・ソウヤー『ハイブリッド??新種??』(ハヤカワ文庫)。
でもまだ『ディアスポラ』も『啓示空間』も読了してないのだ。先月あたりからSFの新刊多いね。

料理の本とSFと 

10.19に買った本。

アレステア・レナルズ『啓示空間』(ハヤカワ文庫)、ジョージ・R・R・マーティン『サンドキングズ』(ハヤカワ文庫)、エリザベス・ムーン『栄光への飛翔』(ハヤカワ文庫)。
『啓示空間』分厚い。高い。重い。電車の中で読む自信がない。文庫で1400円は最高記録かも。

クウネルお弁当隊・編『私たちのお弁当』(マガジンハウス・クウネルの本)、鈴木珠美『ベトナム葉っぱごはん』(文化出版局)、長尾智子『デイリーフード』(文化出版局)。長尾智子さんは久々の新刊。

あらためて出版社の偏りを見ると「やられている」感が強いな。

よしながふみ『大奥』第一巻 

よしながふみ『大奥』第一巻(白泉社)を購入。面白い。が、チャンバラの絵がなんだかちょっとぎこちない(笑)。あれだけ男の身体のさまざまなポーズを描き慣れたこの人でも、チャンバラは描き慣れないかと思うとちょっとおかしい。
今後が楽しみな展開ではあります。